山上憶良の、秋の野の花を詠める二首

万葉集 8巻1537
秋の野に咲きたる花をおよび折りかき数ふれば七草ななくさの花 その一


万葉集 8巻1538
萩の花尾花をばな葛花くずばな瞿麦なでしこの花 女郎花をみなへしまた藤袴ふぢばかま朝貌あさがほの花 そのニ




はじめ、私はこの歌を読んだときにおもわず噴出(笑いだ)してしまいました。だって、花の名前を並べただけなんだもん。 しかも、歌の最後?に付属なのか、歌の一部なのかわかりませんが「その一」「その二」って付いてるんだから。(後世の人がつけたのかなぁ) そのくせ、しっかりと七五調になっているのがすごいんだなぁ。これが

変なことに、語呂がよすぎて花の名前がどこまでかわからなくなるけど、万葉仮名を参照してみてください。 改めて、この歌の語呂のよさと詠まれている花の名が分かると思います。

山上憶良がどような状況でこの歌を詠んだのか想像すると楽しくなります。
誰かが「お題」を出して、その中で真剣に詠んだ?、、、、無理がありますよね。
ある人が私に「子どもに秋の花を教える為に作った歌だよ」と教えてくれた事がありました。そう考えると、なんとなく理解できる歌かも、、

作者の意図するところではありませんが、今の自然の「あやうさ」を指摘する歌になって来ていることに悲しみを覚える。

【追記】2006/10/07
「朝貌の花」は「桔梗」の事と知りました。そういえば「秋には桔梗」と聞いたことがあります。そう、この桔梗の色は「JAPAN BLUE」と云うのでしょうか、綺麗ですよね。
剣道をしていた頃、綿の袴をはくのがあこがれでした。藍色の濃さが、早く落ちないように、買ったら直ぐにお酢で洗って、色どめをしていました。


以下、資料


万葉集 8巻1537
秋野尓 秋の野に あきののに
咲有花乎 咲きたる花を さきたるはなを
指折 指折り およびをり
可伎數者 かき数ふれば かきかぞふれば
七種花 七草の花 ななくさのはな
其一 その一  

万葉集 8巻1538
芽之花 萩の花 はぎのはな
乎花葛花 尾花葛花 をばなくずばな
瞿麦之花 瞿麦の花 なでしこがはな
姫部志 女郎花 をみなへし
又藤袴 また藤袴 またふぢはかま
*1之花 朝貌の花 あさがほのはな
其二 そのニ  


*1
原文は「皃」の異体字を使用しています。 第2水準 区点=6606 16進=6226 シフトJIS=E1A4 Unicode=7683

ここまで